第6回全国地域映像コンクール受賞作品歴代受賞作品紹介

第6回全国地域映像コンクール受賞作品

審査員名簿(五十音順)

井上知義 総務省自治行政局自治政策課地域情報政策室長
加藤 辿 映像ジャーナリスト
菊地 実 株式会社メディア開発綜研 代表取締役
澁谷康生 プロデューサー
寺田一教 (株)NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー
永井多恵子 前NHK副会長
  • グランプリ
    つなぐ 長巻寿司 225mの挑戦
    選評

    225mもの長い巻寿司を作るイベントに取り組む人々をひたすら追った記録、だが、これがなんとも魅力的な作品に仕上がっている。
    会場となった苫田ダムは、かって危機に陥った海苔の養殖を、大漁の放水で救ったことがあり、山と海をつなぐシンボルとなっている。地元と周辺の人々、ボランティアと参加者が手をつないで、このダムの堰堤の長さと同じ225mの海苔巻き寿司を作る話といってしまえばそれまでだが、なにしろその量が半端じゃない。米250kg、卵25kg、あなご17kg、アスパラ1,148本、参加者総数495人となれば並大抵の事業ではない。初めての挑戦であれば失敗したかも知れない。
    しかし、地域には十数人の協力から始まった蓄積があった。巻き寿司は次第に長くなって前の年には70mとはいえ今回はその3倍以上の規模であり、不測の事態も次々と起こってくる。それらを克服しながら本番を成功させた記録は感動的である。
    この取組を取材する高校生が、初めはおどおどしながら次第に成長していく姿もほほえましい。

    映像プロデューサー 加藤 辿
    つなぐ 長巻寿司 225mの挑戦
    作品時間:54分30秒(1M)
  • 総務大臣賞
    隠岐国分寺 蓮華会舞 ~公開編~
    選評

    島根県隠岐島には天平時代から続く国分寺があった。平成19年2月、不幸なことにこの国分寺が焼失してしまった。古来より、国分寺の法会には舞楽が必要とされてきた。この舞楽を「蓮華会舞」と呼んでいる。大阪の四天王寺にも伝えられていると聞くが、宮中で、現在も行われている雅楽に繋がるものであり貴重である。国分寺の突然の焼失は、この蓮華会舞の“面や装束”をも焼き尽くしてしまった。
    そこで、地元で連綿とこの蓮華会舞を舞い続けてきた人々は、何とかこれを復元できないかと東奔西走、県や国の支援を受けて、平成19年11月には見事復元を果たした。
    映像は、復元を祝って平成20年3月に松江で公演された蓮華会舞と平成14年4月に焼失前の衣装や面を付けて舞われたものとの二編が収録されているが、今回はこの焼失前の映像が対象となった。各演目に対し過不足なく見事に収録されている。その“面や衣装”の映像は大変貴重であり、またこの舞を継承してきた人々に対する称賛の念および復元への努力に対し、審査員の全員一致により総務大臣賞に選定された。

    総務省自治行政局自治政策課地域情報政策室長 井上知義
    隠岐国分寺 蓮華会舞 ~公開編~
    作品時間:27分00秒(1M)
  • 優秀賞
    南相馬の炭焼き
    選評

    私たちの祖先は何と素晴らしい手仕事で日々を豊かに暮らしてきたものか、福島県南相馬に伝わる炭焼きの映像は感動的なまでにひとりの古老の生き様を伝えている。阿武隈高地の山林地帯、なら、くぬぎなど炭にするのに適した硬い木を伐る。きんま(木馬)という名のそりに乗せ、枕木を並べて滑らせながら麓までおろし釜の用意の出来るのを待つ。炭焼きの窯をつくる周到な作業も克明に記録されている。昔の大竹式炭窯跡を掘り起こし、木の杭で壁を作り粘土で固める。粘土を叩いては締め、その執拗なまでの繰り返しを骨惜しみなく行う。工程で使う道具も又、手づくりだ。粘土をたたくためのへら、篠竹のしなりを活かしてつくる篠箕(しのみ)など、自然を熟知した知恵を伝えている。釜の傍で、ひとり語りする炭づくりの秘伝、寸法の話は当然、尺貫法だ。長い経験に裏打ちされた自信が九十五歳の表情を活き活きとさせる。地域文化の貴重な映像記録である。

    前NHK副会長 永井多恵子
    南相馬の炭焼き
    作品時間:42分48秒(1M)
  • 審査員特別賞
    柳川物語
    選評

    柳川市内を縦横にめぐる美しい掘割は町の象徴である。作品は柳川の四季折々の美しい情景と、それを生んだ掘割の歴史を軸に、川下り、歴史的建造物、祭り、有明海、郷土の生んだ詩人北原白秋、柳川の特産品などを紹介している。
    観光プロモーション作品であるが、巧みな構成で自然に柳川の魅力に引き込まれる。ナレーション、音楽が素晴らしく作品を魅力的なものにしている。映像が美しく特に白秋祭の幻想的な光景は柳川ならでの風景で、見る人の心を捉える。
    作品を通して制作者の柳川を愛する想いが伝わってくる。そして、柳川を訪れてみたいという気持ちにさせられる。柳川の魅力を十分に描ききった秀作である。

    プロデューサー  澁谷康生
    柳川物語
    作品時間:62分00秒(1M)
  • 地域文化デジタル化推進協議会会長賞
    自然が僕らの遊び場
    選評

    信州のこの町には、「じろ倶楽部」という有志の集まりがあるそうです。「じろ倶楽部」では、年間を通じて地元の自然や文化を体験するプログラムを子供向けに組んでいます。その数はここで紹介されているだけでも12。ロッククライミング、ススキ染め、ドングリのクッキー作りなど、自然を先生に感性を磨いています。
    参加している子供たちの表情から、「じろ倶楽部」が成功していることがわかります。楽しそうだったり、真剣だったり、表情が皆豊か。子供たちへの愛情とともに地元の文化に対する慈愛と自信が感じられ、とてもうらやましく思いました。
    「じろ倶楽部」をテーマに選び、入念に記録した時点で、この作品の成功は約束されていたのかもしれません。

    (株)NHKエンタープライズ
    エグゼクティブ・プロデューサー
    寺田一教
    自然が僕らの遊び場
    作品時間:11分27秒(1M)
  • 奨励賞
    山形県中山町 岡地区と柏倉家
    選評

    今、ヒト、モノ、カネ、情報など全てが東京一極集中し、地方との経済格差が拡大しているといわれています。山形市の西北に位置する中山町岡地区に江戸時代大庄屋だった柏倉家の屋敷を中心とした古風な地域が現存しています。本作品の主役「柏倉久左エ門家住宅」です。この屋敷のすばらしさは建築や文化財だけではなく、現在も16代当主がここで生活している「現役」にあります。屋敷、庭、そして石垣や板塀に囲まれた街並みは地元の人が生活することによって維持される事をこの作品はさりげなく教えてくれます。本当の豊かさは何か、郷土文化の大切さを感じさせ.ます。

    株式会社メディア開発綜研 代表取締役 菊地 実
    山形県中山町 岡地区と柏倉家
    作品時間:14分00秒(1M)
戻る
page top
トップページへ戻る